加工ロットごとのCO₂排出量を見える化。「エコフレスタンダード」

染色加工の現場では、複数の工程や設備でガス・電気が使用されるため、実際のエネルギー使用量を加工ロットごとに把握することは簡単ではありません。
T-SmartArunでは、各設備のガス・電力使用量をリアルタイムで取得し、日報システムの加工ロット情報と連携。製造工程におけるエネルギー使用量とCO₂排出量を、ロット・製品品番別に集計・記録する「エコフレスタンダード」を構築しました。
この事例のポイント
- ガス・電力の実使用量を設備からリアルタイムで取得
- 日報システムの加工ロット情報・加工時間と自動連携
- エネルギー使用量とCO₂排出量をロット・製品品番別に集計
- 顧客からのCO₂排出量の可視化要求に対応
- エネルギーロスを発見し、実際の省エネ改善につなげる
- 既存システムを活用して構築・運用できる
改善前の課題
近年、製品の製造過程でどれだけのCO₂が排出されたのかを把握し、提示することが求められるようになってきました。
しかし染色工場では、一つの製品が複数の工程や設備を通り、それぞれの工程でガスや電気を使用します。工場全体や設備単位の使用量を把握できても、それを加工ロットごとに分けて集計することは容易ではありません。
手作業で計算しようとすると、流量計や電力計の記録と日報を照合し、それぞれの加工時間に応じて使用量を割り当てる必要があります。対象となる設備やロットが増えるほど作業量が膨らみ、継続的な運用は難しくなります。
その結果、顧客からCO₂排出量の提示を求められても迅速に対応できず、社内でも「どの加工ロットや製品でエネルギーを多く使用しているのか」が見えにくい状態でした。
❝ 工場全体の使用量は分かっても、どの製品に、どれだけのエネルギーを使ったのかが分からない ❞

エコフレスタンダードで作った仕組み
T-SmartArunでは、各設備で使用されるガスと電気の実使用量をリアルタイムで取得し、日報システムが持つ加工ロット情報と組み合わせる仕組みを構築しました。
設備から取得したエネルギー使用量と、各ロットがその設備で加工された時間をデータベース上で関連付けることで、加工ロット・製品品番ごとのエネルギー使用量を自動集計します。
さらに、ガスと電気の使用量をCO₂排出量へ換算して記録することで、製造工程におけるロット別のCO₂排出量を確認できるようにしました。
加工ロット別に集計されるまでの流れ
- ガス流量計と電力計で、各設備の実使用量を計測する
- 設備からガス・電力の使用量をリアルタイムで取得する
- 日報システムから、現在の加工ロットと加工時間を取得する
- 設備の使用量と加工時間を関連付け、ロット別に集計する
- エネルギー使用量をCO₂排出量へ換算する
- 加工ロット・製品品番別の結果をデータベースへ記録する
❝ 「設備の実使用量」と「日報の加工ロット情報」を組み合わせることが、このシステムのポイントです ❞

導入によって得られた効果
社会のCO₂可視化ニーズに対応
加工ロットごとのガス・電力使用量と、製造工程におけるCO₂排出量を記録できるようになり、CO₂排出量を可視化したいというニーズに対応できるようになりました。
製品のカーボンフットプリントを算定する際にも、製造工程で実際に使用したエネルギーに基づく基礎データとして活用できます。
エネルギーロスをロット・品番別に発見
工場全体のエネルギー使用量だけでなく、加工ロットや製品品番ごとの使用量を比較できるようになりました。
同じ製品を加工していても、使用するエネルギーに差がある場合は、設備の運転方法や加工条件などに改善できる部分がないかを確認できます。これまで見つけにくかったエネルギーロスを、具体的なデータから発見できるようになりました。
データに基づく省エネ改善を実現
使用量が多い工程や設備を特定し、運転方法や加工条件の見直しを重ねることで、実際に大幅なエネルギー削減につながりました。
エネルギー使用量の削減は、CO₂排出量と製造原価の削減にもつながります。環境情報を作るだけでなく、社内の省エネ活動にも活用できる仕組みとなっています。
❝ 見える化することが目的ではなく、見つけたエネルギーロスを改善し、実際の削減につなげることが重要です ❞
今後の展開
エコフレスタンダードでは、加工ロットや製品品番ごとのエネルギー使用量とCO₂排出量が、日々データベースへ蓄積されています。
今後は、この蓄積データをAIで分析し、製品・設備・加工条件などによるエネルギー使用量の違いや傾向を見つける仕組みへ展開していく予定です。
通常よりエネルギー使用量が多い加工の早期発見や、より効率の良い加工条件の検討など、データに基づいた省エネ活動への活用を目指しています。
まとめ
エコフレスタンダードは、ガス流量計、電力計、日報システム、データベースを連携し、加工ロットごとのエネルギー使用量とCO₂排出量を自動集計する仕組みです。
顧客からのCO₂排出量の可視化要求に対応すると同時に、社内のエネルギーロスを発見し、実際の省エネ改善にもつなげています。
環境情報を記録するだけでなく、日々の製造データを改善活動へ活用することが、この取り組みの大きな特徴です。
※当サイトで使用している画像・動画・デザインには、生成AI技術によるイメージ表現が含まれています。詳しくは「サイトポリシー」をご確認ください。


