古い設備の稼働状況を見える化。働きやすい職場づくりへ

製造設備の稼働状況は、日報や会議資料を確認すれば後から把握できます。しかし、現場で働く人が「今どれくらい生産できているのか」「どこで作業が滞っているのか」を、その場で確認することは簡単ではありません。
T-SmartArunでは、既存の古い設備にセンサーを取り付けて稼働状況を収集。現在の状況を現場の大型モニタへ表示し、作業者自身が確認できる仕組みを構築しました。
目的は監視することではありません。効率が悪くなる原因や、やりにくい仕事、手間のかかる仕事を見つけ、働きやすい職場へ改善するための見える化です。
この事例のポイント
- 古い設備へセンサーを追加し、稼働状況を取得
- 現在の生産状況を大型モニタへ表示
- 現場で働く人がリアルタイムに状況を確認
- 日々のデータをデータベースへ蓄積
- 過去データとの比較や傾向分析に活用
- 作業者の監視ではなく、やりにくい仕事を発見して改善につなげる
- 既存設備を活かしながら運用
改善前の課題
設備の稼働状況や生産実績は、日報や会議資料から確認できていました。しかし、それらは一日の作業が終わった後や、データを集計した後に確認する情報です。
現場で働く人は、自分が担当している設備の状況は把握できても、製造ライン全体で今どれくらい生産できているのか、どの設備や工程で作業が滞っているのかをすぐに確認できませんでした。
また、長年使用している設備には、稼働データを外部へ送信する機能がありません。最新設備であれば遠隔監視などに対応している場合もありますが、稼働状況を確認するためだけに設備全体を更新することは、費用面でも現実的ではありません。
状況が分からないままでは、停止や遅れが発生しても、その原因が設備なのか、材料待ちなのか、段取りや作業方法なのかを判断しにくくなります。改善すべき仕事が見つかるまでにも時間がかかっていました。
❝ 見えていたのは集計後の結果であり、現場で今起きている変化ではありませんでした ❞

構築した仕組み
T-SmartArunでは、既存の古い設備にセンサーを取り付け、設備の動きや稼働状態を取得できるようにしました。
各設備から取得した信号を集め、設備ごとの生産数や稼働状況、製造ライン全体の進み具合を集計します。集計結果は、現場の壁面に設置した大型モニタへ表示しています。
作業者は離れた設備まで見回らなくても、現在の生産状況や各設備の進み具合を現場から確認できます。また、日々のデータはデータベースへ記録し、過去との比較や傾向分析にも利用できるようにしました。
稼働状況が表示されるまでの流れ
- 製造ライン全体の現在生産数
- 一日の目標に対する進捗率・達成率
- 設備ごとの目標数と現在数
- 過去数日間の実績推移
- 当月の累計実績
- 稼働中・停止中などの設備状態
❝ 古い設備でも、必要なセンサーと収集する機器を追加することで、稼働状況をデータとして活用できます ❞

見える化で大切にした考え方
生産数や進捗率を大型モニタへ表示すると、働く人たちにとっては「仕事を監視されている」と感じる場合があります。
しかし、T-SmartArunが目指したのは、数字を使って働く人たちを評価することではありません。生産が進みにくくなっている場所を見つけ、その原因となっている設備、段取り、材料待ち、作業方法などを改善することです。
数字が予定より遅れている場合も、「誰の作業が遅いのか」ではなく、「どの仕事がやりにくくなっているのか」という視点で確認し、改善活動へと繋げます。
導入によって得られた効果
現場全体の状況をその場で共有
大型モニタを見ることで、製造ライン全体の生産数や、設備ごとの進み具合を現場で共有できるようになりました。
作業者が離れた設備まで見回ったり、日報の集計を待ったりしなくても、現在の状況を確認できます。
やりにくい仕事や手間のかかる作業を発見
予定より進んでいない設備や工程が分かることで、「なぜ作業が進みにくくなっているのか」を確認しやすくなりました。
設備の一時停止、材料待ち、段取りに時間がかかる作業など、これまで数字に表れにくかった現場の困りごとを洗い出し、改善につなげられます。
蓄積データを継続的な改善に活用
日々の稼働状況はデータベースへ保存されるため、設備別・日別の実績や傾向を比較できます。
改善前後のデータを比較することで、対策によって実際に仕事が進めやすくなったのかを確認し、次の改善へつなげられるようになりました。
❝ 困りごとが改善され、仕事が進めやすくなる実感を積み重ねることで、次の改善につながる職場を目指しています ❞

まとめ
古い設備では稼働データを取得できないと思われがちですが、必要な場所にセンサーを取り付け、情報を収集することで、既存設備を活かした見える化が可能です。
大型モニタへの表示は、働く人を監視するためのものではありません。現場全体の状況を共有し、効率が悪くなる原因や、やりにくい仕事、手間のかかる作業を見つけるための仕組みです。
T-SmartArunでは、設備をすべて更新するのではなく、今ある設備を活かしながら、小さく始められる現場DXであることが特徴です
❝ 設備の古さを理由に諦めず、現場の困りごとを見つけるところから改善を始めています ❞
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