工場の暑さをリアルタイム監視。WBGTで熱中症リスクを見える化

工場でWBGTの警戒表示を確認する作業者

熱源となる設備が多い工場では、夏場の室温が上がりやすく、作業者は常に熱中症のリスクにさらされます。特に水や蒸気を多く使う染色工場では湿度も高くなり、気温だけでは暑さの危険度を正しく判断できません。
T-SmartArunでは、工場内の各エリアにWBGTセンサーを設置し、暑さの危険度をリアルタイムで監視する仕組みを構築しました。危険度に応じてモニター・スピーカー・パトライトから警報を出し、休憩や水分補給、身体を冷やす行動につなげています。

この事例のポイント

  • 工場内の各エリアでWBGTをリアルタイムに測定
  • 危険度に応じてモニター・音声・パトライトで警報
  • 当日の暑さ予報を社内関係者へ自動配信
  • センサーと運用ルールを組み合わせて熱中症を予防

改善前の課題

染色工場には、蒸気や温水を使用する設備をはじめ、多くの熱源があります。さらに水を使う工程も多いため湿度が上がりやすく、夏場には気温以上に身体へ負担がかかる環境になります。
工場全体を空調することが難しいだけでなく、設備の稼働状況や場所によって暑さも異なります。そのため、天気予報や作業者の感覚だけでは、どのエリアが危険な状態に近づいているのかを正確に判断できませんでした。
また、休憩や水分補給のルールを設けていても、危険度の変化をリアルタイムに共有できなければ、適切なタイミングで行動を促すことが難しくなります。

❝ 暑くなってから対処するのではなく、危険な状態になる前に行動できる仕組みが必要でした ❞

蒸気と湿気の多い染色工場で暑さに耐えながら作業する従業員

構築した仕組み

工場内の各エリアにWBGTセンサーを設置し、気温・湿度・周囲から受ける熱の影響を含めた暑さ指数をリアルタイムで取得します。
取得したデータはシステム側で収集し、設定した基準に応じて「注意」「厳重警戒」「危険」などの状態を判定します。危険度が高まった場合には、モニター表示だけでなく、スピーカーからの警報やパトライトによって現場の作業者へ知らせます。
さらに、毎朝システムが環境省の熱中症予防情報サイトから当日の気温やWBGT予測を自動的に取得し、社内関係者へ配信します。現場のリアルタイム情報と一日の予報を組み合わせることで、休憩や水分補給を早めに指示できる運用体制を整えました。

監視から安全行動までの流れ

  • 毎朝WBGT予報を関係者へ自動配信し、一日の計画へ反映
  • 各エリアのWBGTセンサーで暑さ指数を測定
  • システムでデータを収集し、危険度を自動判定
  • モニター・スピーカー・パトライトで現場へ通知
  • 作業者が水分補給や空調室での休憩、身体の冷却を実施
WBGTセンサーとPLCで暑さを監視し、警報を受けた作業者が空調室で水分補給する流れ

使用する設備・システム

・WBGTセンサー
工場内の各エリアで、暑さ指数をリアルタイムに測定します。
・収集システム
各センサーのデータを収集し、設定した基準に応じて危険度を自動判定します。
・モニター
現在の測定値や危険度を、現場の作業者へ分かりやすく表示します。
・スピーカー・パトライト
危険度が高まった際に、音と光で周囲の作業者へ警報を伝えます。
・自動配信システム
当日の気温やWBGT予測を取得し、社内関係者へメッセージを配信します。

❝ これらの設備に、空調室、空調服、休憩・水分補給のルールを組み合わせることで、測定するだけで終わらない熱中症対策を実現しています ❞

導入による効果

工場内の暑さをエリアごとに数値で確認できるようになり、危険度が高まった場所を早く把握できるようになりました。
警報によって休憩や水分補給のタイミングが明確になったため、作業者個人の感覚だけに頼らず、現場全体で共通した安全行動を取ることができます。
また、毎朝配信される予報を確認することで、暑くなる時間帯を考慮した作業計画や休憩の指示を事前に行えるようになりました。

主な効果

  • 熱中症リスクの早期把握
  • 適切なタイミングでの休憩と水分補給
  • 作業者による危険判断のばらつきを軽減
  • 管理者からの注意喚起や指示を迅速化
  • 安全意識の向上と働きやすい職場づくり

現場の安全を、データと運用で支える

この取り組みの目的は、WBGTの数値を表示することだけではありません。測定したデータを警報や情報配信につなげ、作業者が休憩・水分補給・身体の冷却といった安全行動を取れるようにすることが重要です。
また、センサーによる監視だけでなく、空調室や空調服などの設備面の対策、現場の運用ルールを組み合わせることで、より実効性のある熱中症対策になります。
作業者の我慢や経験だけに頼る状態から、客観的なデータをもとに現場全体で安全を守る仕組みへ。これも、働きやすい職場づくりにつながるDXの一つです。

WBGT監視や空調服、給水設備を活用して安全確認を行う工場作業者

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